2025年5月30日、香港で国際調停機構(IOMED)を設立する条約が33か国により署名され、85か国と20の国際機関が式典に参加しました。IOMEDは、国連憲章33条の精神に基づき、国家間や国家と非国家主体の紛争を裁判ではなく調停で解決することを目的としています。
IOMEDは裁判所ではなく、法の適用よりも柔軟な話し合いを重視します。これは儒教的な「調和」思想とも関連があり、平和や平等とは限らず、政治目的のために力や間接的な圧力を使う余地もあります。調停は秘密性と柔軟性が高く、国際法の制約を必ずしも守らなくても、当事者同士の合意で進められる場合があります。このため、中国は「信頼できる仲介者」として、西側の機関を好まない国々を引きつける役割を果たせます。
条約第25条3項では、領土主権や海洋境界に関する紛争を対象外にできるため、中国は南シナ海や台湾、インドとの国境問題などをIOMEDの対象から外すことが可能です。
西側から見ると、IOMEDは中国が国際社会で自立した地位を高め、西側中心の枠組みに代わる新しい国際ガバナンスの拠点を作る戦略の一部です。これは、拘束力ある裁定を避け「対等な交渉」を前面に出すことで、国家主権を守りつつ、中国の法律文化を世界の紛争解決に組み込みます。
この動きは、中国の影響力拡大への対応だけでなく、西側自身の国際機関の信頼性や機能を見直す必要性も示しています。国際秩序が多極化する中、ワシントンやブリュッセルだけが中心である時代は終わりつつあります。
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