米国大統領が発表した新しいAI行動計画は、防衛強化・規制緩和・ビッグテックとの全面提携を柱とし、慎重さを完全に捨てた内容となっている。目的は明確で、「AI競争に勝つ」こと。
計画では、半導体不足やレアアース問題を踏まえ、短い供給網の構築、国内生産、人材の確保を優先。データセットを戦略資源とみなし、科学研究や政府、軍事分野を支える道具としてAIを活用する方針を示す。また、AIと遺伝子操作・バイオセキュリティを融合させ、疾病治療だけでなく生物兵器対策にも使う可能性が示唆されている。
技術は厳格に保護し、内部スパイ対策を含め国外流出を防止。その一方でビッグテックを政府の戦略的パートナーとして強化する。規制は最小限とし、EUのAI規則のような詳細で複雑な枠組みは採らない。負担の大きい州法には連邦資金を配分しない方針も明記されている。
この戦略は、米中対立の中でEUの規制が米国技術の拡散を妨げる問題としても浮上する可能性があり、場合によっては米国がEUに圧力をかける展開も考えられる。
結論として、この米国の方針は大規模な産業計画であると同時に、知識と技術覇権を取り戻すための権力戦略であり、EUが本気でデジタル主権を語るなら、規制一辺倒から脱し米国並みの産業戦略を構築する必要があると警告している。
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