背景:データは使う人によって「個人情報」にも「匿名情報」にもなる

2025年9月、EU司法裁判所は「同じデータでも、使う人の立場によって個人情報になるかどうかが変わる」という判断を再確認しました(通称「デロイト判決」)。

たとえば、名前が書かれていないデータでも、別の情報と組み合わせれば誰のことか分かる場合、そのデータは個人情報として法律で保護されます。

重要なポイント

1. 「匿名」か「個人情報」かはケースバイケース

  • ある人にとって匿名に見えるデータでも、他の情報と組み合わせれば個人が特定できるなら、それは個人情報です。

  • データを使う人が、その人を識別できるかどうかが重要です。

2. 判決は新しくないが、影響は大きい

この判断自体は以前の「Breyer判決」でも出されており、**GDPR(EU一般データ保護規則)**でも明記されています。
しかし、今回の判決で、各国のデータ保護機関やBig Tech企業がルールを曖昧に運用できなくなりました。

技術的な例:IPアドレスの扱い

  • 通信事業者は、IPアドレスと契約者情報を結びつけられる → 個人情報

  • Webサイト運営者はIPだけでは誰か分からない → 匿名情報
    → ただし、ユーザーがログインしていれば、IPも個人情報に変わります。

分析サービスでのリスク

  • サイト運営者が匿名でデータを送っていても、受け取る側(分析ツール提供者)が他の情報と結びつけて個人を特定できる場合、そのデータは個人情報扱いになります。

  • これにより、科学研究などの正当な匿名データ活用まで規制対象になる恐れもあります。

Big Techへの影響

  • 今までBig Tech企業は「外部から受け取るデータは匿名だから規制対象外」と主張していましたが、それは通用しなくなります

  • 今後は、データの受け取り方や活用方法を個別に見直す必要があります。

データ保護当局も対応が必要

  • 今までは「データを扱っているから法律の対象」と機械的に判断していたケースも、今後は実際に個人特定できるかを確認する必要があります。

結論

この判決は、「匿名に見えるデータでも、使い方次第で個人情報になり得る」という原則を再確認したもので、

  • Big Techのデータ運用

  • 各国の監視体制

  • 科学研究やプライバシー保護のバランス
    に対して、大きな影響を与えることになります。

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