OpenAIは2025年8月の公式ブログで、ユーザーとのチャットを監視し、第三者に危害を及ぼす可能性がある場合は当局へ通報すると明らかにしました。ただし、自傷行為については当局に知らせず、自動化された安全チェックや支援先の案内にとどめる方針です。
この仕組みの目的は「役立つこと」と説明されていますが、実際には法的責任を回避する狙いが強いと見られます。自分自身を傷つける行為は利用者の責任とされますが、他人に危害が及ぶ場合にはプラットフォーム運営者の責任も問われ得るためです。
ただし、この安全チェックが実際に有効でなければ、被害者や遺族はOpenAIの責任を追及することができます。ブログでの声明は契約上の義務にもなり得るため、法的に逆効果となるリスクもあります。
さらに問題は、ソフトウェア分野では自動車のような法的検査や設計責任が制度化されていない点にあります。欠陥があっても修正パッチを出すだけで済み、被害補償は曖昧なままです。その結果、利用者は「利用規約に同意」するチェックボックスを押すことで事実上、自己防衛の権利を放棄しています。
加えて、今回の声明は、従来プラットフォームが「技術的に不可能」と主張して免責されてきた構図を揺るがします。監視・通報が可能であると自ら認めた以上、今後は責任回避が難しくなります。
背景には、ビッグテックが「権利の定義」や「予防措置」の決定権を実質的に握っている現状があります。公共的な監視や承認なしに、民間企業が危険行為を定義し、対応を決めることは重大な問題です。
結論として、OpenAIの方針は「利用者のため」と説明されていますが、その実態は法的責任の軽減と企業利益の防衛に重点が置かれています。この状況が続けば、「本当に役立つ」という言葉は単なるスローガンに過ぎなくなる可能性があります。
要するに:
OpenAIは「安全のため」として監視と通報を導入したが、実際には法的責任回避の意味が大きい。制度上の責任や規制が曖昧なままでは、利用者の権利が軽視される危険がある。
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